貸借対照表、損益計算書等を用いて経営状態を分析する手法は、古くから用いられています。キャッシュフローを用いた分析は、歴史も浅くまだ一般的ではないかもしれません。しかし、従来型の貸借対照表、損益計算書のみの分析では良い結果を示している企業であっても倒産している企業があり、その理由はキャッシュの枯渇によるものです。つまり歴史の長短にかかわらず、キャッシュフローの分析を欠くべきではなく、ここにキャッシュフローを用いた分析の必要性があるのです。キャッシュフローをつかむ上での基本ポイントは以下の 3 点です。
(1) 営業活動によるキャッシュフローで生み出されるキャッシュの量と効率
(2) 営業活動によるキャッシュフローで生み出されたキャッシュは、投資及び財務活動によるキャッシュフローを通じてどのように使われているか。
(3) 設備投資等に必要なキャッシュはどのように調達されたか。
また、上場企業においては、さらに (3) として株主還元に関する分析が必要です。
キャッシュフロー計算書ではこれらの分析を通じて、以下の点を把握することに用いられます。
(1) 営業活動において生み出されるキャッシュがどのように使われているか
(2) 新工場や設備投資等に使われたキャッシュの源泉は何か
(3) 社債発行や株式の売買によって調達された資金がどう使われているか
(4) 利益を出しながら資金不足に陥っている理由は何か |