飲食店が不潔であっていいはずはありません。だれでも知っていることですが、本当に清潔感を徹底しているお店はほんのひと握りにすぎません。これは、飲食業界全体の体質的な問題ともいえますが、このテーマをきちんとクリアしない限り、本当の繁盛店になることはできません。
飲食店の場合、ただ掃除をしていればいいということにはなりません。結果がすべてです。そして、常に求められるのは、食事をする場としてふさわしい清潔感なのです。お店のどこもかしこもピカピカに磨き上げるというハイレベルの清潔感です。これをクレンリネスといいますが、商品もサービスも、クレンリネスを実現してはじめて、その真価を発揮することができます。
そもそもお客の健康を預かる飲食店には、衛生間義務があるわけですが、これからの時代はますます、クレンリネスの実現度が重要な付加価値になっていきます。
ところで、クレンリネスの徹底が難しいのは、スタッフそれぞれの清潔感に個人差があるためです。人間は皆それぞれ「きれい」「汚い」のレベル、感じ方が違いますから、個々のスタッフの基準に任せていたら当然、清潔度にバラツキが生じることになります。
飲食店である以上は、スタッフ全員に、一定のレベル以上の清潔感覚を持たせなければなりません。そのためには、お店側が明確な基準を示してあげる必要があるわけで、それが清掃マニュアルと呼ばれるものです。
清掃マニュアルでは、どこをどのように清掃するかということだけでなく、汚れやすい箇所、目立ちやすい箇所から順に、1日何回、何時頃に清掃するかというスケジュールまできちんと準備しておくことが大切です。
しかし、いちばん大切なのは、個々のスタッフの意識改革です。それには、清掃が、「余計な仕事」ではないということを、経営者が率先垂範して示す必要があります。
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