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第11回  居抜き店舗活用は多店化の最も有利な方法

 

 最近はデフレ不況にばかり気を取られがちだが、実は、飲食店経営者にとってもうひとつ大事な問題がある。それは、もはや一店舗だけでは生き残れない時代になっていうといることだ。

 

繁盛は永遠に続くものではない。というより、お店そのものを存続できなくなる日が必ず来る。なぜなら、経営者も人間であり、必ず年をとっていくからだ。繁盛を支える重労働をいつまでも続けられるわけではないのである。しかも、現在の立地条件は決して不変ではないし、業態としての寿命もある。つまり、現状維持の発想では必ず衰退を招くことになるということだ。

 

だから私は、積極的に多店化をめざそうと提案している。もしも一店がダメになったとしても、残りの二店でより有利に生き残ることができるのだ。そして、そのための切り札が、居抜き店舗再生ビジネスなのである。

 

たしかに居抜き店舗は失敗した物件だ。常識的には立地条件もあまりよくなく、不利だと思う人も多いだろう。しかし、多店化の場合は不利にはならない。なぜなら、すでに繁盛店を経営している実績と信用がモノをいうからである。

 

たとえば、現在のお店の近所で別業態のお店を出すとしよう。業態が別ならお客の利用動機がバッティングする心配はないわけだが、さらに、これまでの営業で育ててきたお店の組織票(固定客)を新店に振り向けることもできるのだ。食材等の仕入れも有利になるし、スタッフを流用することも可能である。

 

これからの時代、大きなリスクはできるだけ避けることが大切。リスクの小さいスモールビジネスをいくつも展開することこそ、確実な利益を生み出していく基本なのである。

 

 
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