要員計画&標準労働時間計画編 その2
人件費計画は、前回のその1を作り上げてから算出します。人件費に含まれるものは、社員の給与、法定福利費(社会保険料、厚生年金などを言い、社会保険や厚生年金に加入しない場合は必要がない。所得税、住民税、雇用保険料も含みます。)、賞与引当金(賞与の積み立て)、諸手当(家族手当、皆勤手当など)があります。アルバイトやパートは、時間給(一時間あたりの賃金)、法定福利費(社員と同等の内容)、諸手当があります。
では、社員給与体系を決定しましょう。
社員月給は、大きく大別すると二種類の方法があります。
1. 月給とボーナス制
・基本給(=労働基準局で定められている賃金以上を設定)の設定は、新聞やフリ
ーペーパーの求人雑誌を参照し、相場をつかむ。
・能力給や手当の設置
役職手当(店長、料理長など)、家族手当、精勤手当など。
・ボーナスは、基本給×月分の計算になります。飲食店の場合は往々にして夏冬1
ヶ月づつですが、チェーンなどの飲食企業の場合は自社の給与規定に基づきま
す。また、ボーナスでなく寸志という形にだされている場合もあります。この場合は
オーナー様の気持ちをお金で表す場合に用いられます。
・賞与引当金は、ボーナスを12ヶ月で割って積み立てる方式です。
2. 年俸制
・基本給(=労働基準局で定められてる賃金以上を設定)の設定は、新聞やフリー
ペーパーの求人雑誌を参照し、相場をつかむ。
・能力給や手当の設置
役職手当(店長、料理長など)、家族手当、精勤手当など。
・年間契約となり、賞与も月給の中に含みます。このため、毎月賞与引当金を計上
するより、年俸制のほうが管理しやすいということで、現在では年俸制も多くなって
来ています。
上記の2種類の方法を使い、年間の給与、月間給与を算出します。
次に、アルバイト&パートの給与は、
・基本時給(=労働基準局で定められてる1時間当りの賃金以上を設定)の設定は、新
聞やフリーペーパーの求人雑誌を参照し、相場をつかむ。
・アルバイトとパートの人件費は、基本時給で計算します。従って、前回のその1で算
出した一日のアルバイトとパートの総労働時間を計算し、決定した基本時給を計算
(パートとアルバイトの総労働時間×基本時給−1日当りの人件費)します。
・月間人件費、年間人件費を算出します。
ここ迄算出した後、社員の給与、アルバイトとパートの給与のそれぞれを月間、年間で算出した合計額を出しておきます。次に、売上高予想で算出した月間、年間の売上高から人件費率(年間あるいは月間の社員、アルバイトとパートの人件費合計÷年間あるいは月間の売上高)を算出し、適正であるかどうかを検証します。目安としては原価率と人件費を足した物をFLコストといいますが、この数値が60%以下になるように人件費をコントロールする必要があります。
次回は、損益計算書(利益計画、損益計画ともいいます)は、事業収支計画で一番大切な書類の作成になります。この書類を借入先の金融機関が見て、借入実行になるか否かを判断する材料になるからです。
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