借入で絶対必要な事業計画書の作り方を学習しよう 《売上高予測 -1 》
売上高予想は、やりたいお店の業種業態を考えながら算出することが大切です。算出方法は下記の通りです。
1. 考え方として、ベースになる売上高は1週間を基準に1ヶ月、1年と算出します。
次に、営業時間を決定し、曜日ごとに一時間単位で売上を予測します。
2. 売上の算出根拠は
・通常の飲食店の場合、1時間当りの売上予想額の計算式は、
イ)客数=総客席数 × 回転率 × 満席率
ロ)1時間当りの売上予想額 = 客数 × 客単価
● 総客数 = お店全体の席数
● 回転率=1時間当りに客席が何回転ぐらいするのかを予想します。
・ 居酒屋は滞在時間を考え、最低2時間は居ると想定すると1時間で1回転は困難なため、2時間で満席になるかどうかを予想する。
例えば
50 席のお店であれば、 18 時から 19 時は 0.5 回転とするとお店の客数は25 名を集客することになり、 19 時から 20 時では残りの 0.5 回転が最高で25 人となります。従って 20 時から 21 時は 18 時から 19 時に入ったお客様が何人帰られるかによって、お店にあとどれくらいの人が入るのかを想定するのです。
・ レストランの場合は滞留時間(来店してから帰られる迄の時間)を 1 時間とした場合、最高にお客様が入っても 1 回転しかしません。
・ うどん屋は滞留時間を 30 分とすると最大で 2 回転はするという計算になります。
● 満席率=椅子の稼動率を指します。
例えば4名がけばかりのテーブル席があるお店で、カップルばかりが入るお店は稼働率が悪く回転率は 50 %に近づきます。なぜかと言うと、4名がけのテーブルに 2 名しか座らないと言うことは、4名がけを 100 とした場合、 2名分の50%しか満席になっていないからです。従って、この回転率を上げるにはカウンター席や2名がけを多く作り、様々な人数に対応できる客席を作らなければなりません。
飲食店の中で一番回転率が悪いとされている業態は、焼肉屋です。焼肉屋は無煙ロースターという機械を導入するお店が多いため、投資コストも高くなり、予算がなければ、6名がけで焼くところ(ロースター)が1機しかない。テーブルもロースターがあるので固定式となり、可動式が多いカフェやレストランと比較すると満席率はかなり悪い状態になります。ですから、できるだけ予算をかけてロースターの台数とカウンターや4名がけを多く設置することをお薦めします。
● 客数とは一時間当りに入るお客様の数
● 客単価=お客様一人当たりの単価を言います。
一人のお客様が平均でいくらぐらい使うかを想定します。
例えばファミリーレストランであれば、昼は 900 円、アイドルタイムは 400 円 ディナーは 1,200 円〜 1,500 円というように設定するのです。
・弁当やファーストフードなどテイクアウトがあるお店についての売上げ予測
イ)1時間当り1台のレジで何名さばけるかを考えます。
例えば、ファーストフードのように注文してから提供までの時間が 3 分とした場合
60 分 ÷3 分= 20 人 となります。
従って1時間当り最大でも 1 台のレジで 20 人をさばくことになります。
ロ)1台のレジで 1 時間 20 人 × レジ回転率=客数
客数 × レジ単価=1時間当りの売上予測 となります。
● レジ回転数とは 20 名を 100 %とした場合、1時間で何名さばけるかを想定します。
● レジ単価とは、お客様1人の単価=客単価と同じですが、弁当やファーストフードのテイクアウトのお客様を考慮し、1名という概念でなく、1組という考え方で単価を想定します。
(テイクアウトは1人で3個の弁当を購入することもあるからです)
次回は売上予想−2です。
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