借入で絶対必要な事業計画書の作り方を学習しよう 《減価償却費》
減価償却費とは、耐用年数(使える年数)があるのに、購入した年に経費として処理すると、利益を確保できないため、分割して経費の処理をすることができるようにすることで、利益を生み出す構造になっています。
例えば、 200 万円で通勤や仕入れに使う車を購入したが、その年の経費で処理した場合、利益が 100 万円しかなかったのに、 200 万円の車を購入すると赤字になって倒産してしまうケースが生まれてしまうのを防ぐ役割があります。
減価償却費の算出方法は、定額法と定率法の2つがあります。飲食店の場合の定額法は、工事費を最大で 7 年、開業費は最大で5年間迄償却が可能です。
計算方式は、
● 工事費の場合
総工事費 ×90 %( 10 %は使用しているため価値がなくなると判断されています)÷7 年=1年間当りの償却額
● 開業費の場合
開業費 ×90 %( 10 %は使用しているため価値がなくなると判断されています)÷5 年=1年間当りの償却額
です。この償却期間については工事費で 1 年〜 7 年、開業費で 1 年〜 5 年までと定めらています。
これに対し、定率法とは購入したすべての物に対して、決められた耐用年数をもとに、償却率が決められている方法を言います。
計算式は、
購入したものの金額 × 償却率=1年間の償却費です。
この方式を使う場合は耐用年数に於ける減価償却費を算定した雑誌が販売されており、税務署で資料を配布している場合があります。
一般的にテナントで入る場合の飲食店の場合は、定額法で処理されていますが、土地を購入したり、店舗を建てたりした場合は定率法を採用しています。
損益計算書を作成する際は、店舗では経費として減価償却費として経費処理を行ない、会社の損益としては収入として処理します。従って、会社の収入は減価償却費と利益、そしてタバコや物販で販売した利益が収入となり、支出としての借入金の返済額を差引くことで、経常利益となります。そして、その経常利益から法人税等の税金( 50 %)を支払った残りの金額が会社の儲け(=キャッシュフロー)となるわけです。
● 計算式は
収入=減価償却費 + 店舗の利益 + その他の販売利益
支出=借入金の返済額
経常利益=収入 - 支出
キャッシュフロー=経常利益 - 法人税等の税金
東京などの日本の主要都市にある繁華街で出店するお店は減価償却年数や借入期間をできるだけ短期に設定しています。この理由としては、主要都市の繁華街は繁盛期が短い恐れがあるため、できるだけ早く減価償却を済ませて、高額な利益を生み出し、そのお金をとっておいて繁盛期が終わった段階でリニューアルを行なう資金にしたり、新しくお店を出店する資金に当てて、企業規模を拡大するといった戦略を行なっています。
例えば今流行の居抜き店舗を上手く活用して、お店を繁盛させると、借入金を早期に返済できて、なおかつ、減価償却年数も短縮できるメリットがあり、さらに投資額も安いという、いい事づくめの事業となるのです。是非一度検討してみてはいかがでしょうか?
次回は、売上予想計画です。まだまだ続きますが、頑張りましょう。
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