借入で絶対必要な事業計画書の作り方を学習しよう
事業計画書とは、これから借入を行なう金融機関に対して、借入を行う事業の数値的な根拠を説明し、返済をどのように行なっていくのかを説明する大切な資料のことを言います。面接官に事業計画書を見せながら説明する資料であり、また、面接官からの質疑に対してもしっかりと回答できる必要があります。
この連載で学習し、一度、事業計画書を作ってみましょう。
1. 投資額の算出
まず始めに今回の事業における総投資額を算出することから始めます。まず、投資額は工事費、物件取得費、開業費に区分されます。
【工事費】とは
イ)建築工事費
=建物をつくるための工事費用を指します。
内装工事費や内装の設備工事費、厨房設備費などは含みません。
ロ)開発諸経費
=建物を立てるためにかかる役所への申請費用。
例えば、建築許認可申請費用や地区地域の変更申請費用など。
ハ)内装工事費
=壁、床、天井、ドアなどの建具、椅子やテーブル、照明器具、音響機器など
の工事費のことを指します。
予算では坪単価×店舗面積で算定しますが、最低 1 坪当り 45 万円以上は かかります。ある程度デザイン性を重視したダイニングバーは、坪当り 80 万 円ぐらいは想定しておく必要があります。
二)設備工事費
=空調設備 : 冷暖房機器の設置費用と機器
吸排気設備 : 新鮮な空気を外部から取り込み汚い空気を外部に 排出する設備機器と設置費用
給排水設備工事 : 厨房内の排水と給水の工事費
ガス工事 : 店内にガスを配管する工事
電気工事 : 分電盤やコンセント、電気の配線などの工事
給排水工事 : 店内に水を給水する設備と排水する設備の工事
弱電工事 : 電話線の配線やスピーカーの配線工事
などがあります。業態によりコストはかなり異なります。
通常のレストランは坪当たり 15 万円で計算すると良いでしょう。焼肉店や鍋物 店などはかなりコストが高いと思ってください。
ホ)厨房設備工事=厨房機器とその設置工事を指します。
店舗規模によって異なりますが、新品の機器の場合、20坪のレストランで 400万円前後です。
以上のような工事費の金額が自分では分からない場合は、内装設備工事を行な っている業者や設計事務所に概算の金額を教えてもらいましょう。工事費用の参考例としては、皆さんがご存知のスターバックスコーヒーの場合、内装設備工事で坪当たり約 120 万円と厨房設備工事が 1,000 万円と言われています。
【物件取得費】とは
物件を借りるときに必要なコストを指します。保証金、敷金、礼金、造作譲渡費用です。
これは物件を借りたときの契約書をもとに作成します。
【開業費】とは
開業費は一般的に上記の工事費に含まれないものをいいます。
イ)食器備品購入費
食器を購入するために必要な金額です。目安としては洋食店で1席当り1.5万円〜2万円、和食店で1坪当り3万円以上です。
ロ)什器備品費
厨房で使用する鍋や釜、包丁などですが、目安としては 20 坪のレストランで約8 〜100万円です。
ハ)ホール備品費
しょうゆ差し、シュガーポット、お盆などホ−ルで使用する備品を言います。これは1テーブル当り1万円ぐらいに設定すると良いでしょう。
ニ)メニュー制作費
メニューやテーブルポップの印刷代。自分でコンピュ−ターを使用して印刷する場合は 20 坪ぐらいのお店で約 20 万円。大手ファミリーレストランのような写真入りであれば 100 万円(料理の撮影代含む)。
ホ)販売促進費
これは、オープンキャンペーンにかかるコストです。例えば、チラシ作成代、新聞折り込み代、街頭配布のチラシ代、サービスチケットなどです。予算は出店立地によって異なります。
ヘ)レジ購入費
大半の飲食店で使用されているレジは、ポスレジというものですが、これは30万円前後で購入できます。
ト)ユニフォーム代
従業員の人数×2セット×ユニフォーム単価です。業務用のユニフォームであれば1セット 2 万円前後、耐久性を考えずコスト重視であれば、ユニクロなどを使用すると安くなります。
チ)開店前人件費
開店前に従業員を雇用して教育を実施するときの給料や時給。
リ)運転資金
店を運営して行くための予備費。釣り銭や小口現金、食材費なども含まれます。
ヌ)前家賃
開業するまでに発生する家賃。
ル)設計料やコンサルタント料
設計事務所、コンサルタント会社に見積を依頼する費用。
ヲ)装飾品購入費
絵や花瓶など店内に飾る装飾品の購入費用。
ワ)消耗品費
トイレットペーパー、文房具用品、掃除道具などの備品類の購入です。
※上記の費用を算出する場合、必ず消費税が含まれた金額を算出してください。
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