念願の物件決定!次は資金調達の基礎的な方法を教えます。
資金調達を行う上で、いくら借りられるかということと、どこから借り入れができるのかなど不安でいっぱいの方も多いと思います。電化製品や車のローンとは違い、借入れ金額が住宅購入ぐらい高い金額ですから借入先も限定されます。
では、始めにお金が借りられる条件をお教えします。
利息を安く借りるためには国の公共機関である国民生活金融公庫、各都道府県庁や市、区の役で行っている新規事業資金融資があげられます。
そこで国民生活金融公庫の場合の借入方法についてお話しましょう。
国民生活金融公庫(以下、国金という)は、日本全国にありますので、電話帳等で出店する場所の所轄の国金を調べます。
では、借入の方法について順を追って説明します。
1. 借入の条件を確認する
イ)国の機関であるため、固定資産税や所得税などの税金、国民年金、国民保険、 厚生年金、社会保険などの年金や保険の支払いをきちんと行っている事。未納の機関がある場合は完納する必要があり、支払いを行っていない場合での申請は融資対象にはならないので、資金調達ができません。
ロ)自己資金が総投資額の 1 / 3 以上用意できる事。できれば 1 / 2 あればかなり借入が楽になります。
ハ)保証人の確保。例えば両親が保証人になる場合、両親が自営業を営み定年がない場合は保証人として承認されますが、定年で現在収入がない場合や低収入の場合は、保証人としての承認を受けることはできるものの、第三者でもう一人保証人を用意しなければならないケースもあります。
両親が死去している場合や第三者の保証人を立てることができないから、借入ができないとあきらめていた人もいると思いますが、この場合は保証協会という機関を使う事ができます。実はこの保証協会という機関はあまり知られていないようですが、例えば事業をする場合、親や兄弟、親戚と言った方や知人などに将来的に迷惑をかけたく無い人もこの保証協会を利用すると良いでしょう。ただし、国金の金利と保証協会の金利がダブルになるため、金利( 2004.11 月現在、7 %以下)が高くなることを十分覚悟する必要があります。保証協会を利用する場合は、借入申請時にその旨を記載し、さらに申請書類を提出する際に受付担当者にその事を告げ、保証協会を利用するための方法を確認します。あるいは、自分が所有している土地や建物を抵当に入れて保証人なしで借りる事もできますが、この場合の借入限度額は、その土地や建物のローンが完済している場合は、その土地と建物の評価額の 50 %程度であり、また、まだローンが残っている場合は、返済した元本の 50 %となります。ただし、その地域の国金にもよりますが、元本の返済が 1 / 4 程度しか終わっていない場合は担保と認めないケースもあるので、国金担当者に確認する必要があります。
二)物件の賃貸借契約書(契約締結のもの)。
ホ)国金へ行き新規事業資金融資の申請書及びパンフレットをもらう。不明な点があればその場で話をして聞く事が大切です。
へ)契約している物件のオーナーに借りた物件の平面図(その他立面図や展開図といった図面があれば全て)をもらうか、あるいはコピーしたものを用意し、 設計士、内装設備業者、厨房業者を探し、その物件に即した平面図、厨房機器リスト、厨房平面図の作成を依頼し、さらにその図面に対する概算の借り入れ用見積書を作成してもらいましょう。
この時のポイントは、概算見積書の金額を多めに記載してもらうように依頼することです。全ての書類が揃い借入申請を行ったあと、面接官と面談し融資枠が決定する際、減額される場合があるので、この減額の余力を持った見積書を作成する事が大切です。
ト)事業計画書を作成します。事業の目的や販売する商品、投資コスト、自己資金と借入金、主な取引先、 損益計算書など)事業計画書はこの借入編が終了してから、事業計画作成編を掲載します。
チ)自己資金を証明できる通帳などを用意しましょう。
2. 申請書類が用意できたら、国金窓口に書類を提出します。書類を提出してから、7 〜 10 日後に面接日が設定されるので、その面接日の連絡を待ちます。心証を良くするためにも、国金や金融機関に行く時は、スーツを着用し、身だしなみを整え、さらに、話をする時には敬語を使うことも大切です。
3. 面接は、 1. で提出した全ての書類の説明や事業計画書の収支に関する根拠の説明をしなければなりませんから、しっかりと事前に面接のシュミレーションをして、聞かれた事に対応できることが大切です。また、意識として絶対にココでお金を借りて事業を成功させると言う意欲、返済を必ずするという意思など、絶対にこの事業を成功させるという思いを担当者にいかに伝えるかが大切です。もし、ここで、弱気を見せた場合は。いくらプランや考え方がしっかりとしていても、融資額の減額や借入そのものができないというケースもありますから、心してかかりましょう。
4. 融資金額の決定
面接時に融資金額の枠が仮確定します。この時点で投資額が不足している場合 は、銀行や他の金融機関への借入を考えなければなりません。できれば、国金だけでなく同時進行で他の金融機関への申請をしておく事も開業までの時間を短縮する方法です。
5. 借入実行
面接を行ってから、 7 〜 14 日間で融資が実行されますが、その前に融資額の決定の連絡が入り、借入契約書を締結してから、融資が実行されます。融資金額は借入を契約したオーナーの銀行口座に振り込まれます。
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