居抜き物件の上手な活用と、重大な落とし穴に注意せよ!
居抜き物件とは、物件に前の店舗の内装や設備、厨房が付いている物件をいいます。居抜き物件は「内装譲渡」という文句が不動産会社の物件情報に入っているものを指します。
居抜き物件の利点は、物件が新しければ店舗の工事費用が安く抑えられます。また、内装譲渡金も一から工事を行なう工事費と比べるとかなり安くなります。従って、投資額が抑えられ借入金も少なく、さらに投資額も早期に回収できると言うメリットがあります。当然、内装譲渡金の価格を減額する交渉もできます。
前オーナーがお店を経営していてつぶれた店だから、そんな物件は嫌だと感じる方も多いと思いますが、そうではありません。前オーナーがやっていたお店をそのまま引き継いで経営するのではなく、全く新しいお店として生まれ変わり、業態も変更することで、立地がある程度良ければ十分に繁盛することができるのが、居抜き物件の良いところです。
実際に居抜き物件を活用して大繁盛をおさめている水戸の『ガデオダイニング』というお店は、寿司屋の居抜きを活用して投資額を 1,000 万円に抑え、現在、月商 400 万円前後、利益率 20 %前後という数字を残すほどのお店になっています。
居抜き物件のデメリット
1 )物件を見るとき、何年までお店をやっていたのかを不動産会社に確認します。
現在お店を経営しているという物件は非常に良いでしょう。しかしながら、 2 ヶ月も 3ヶ月も空いた物件は厨房機器に問題が発生するケースがあります。例えば冷蔵庫、冷凍庫は常に電気が入っていることが普通ですから、お店を閉めて日数が経過するとモーターやコンプレッサー、ガスなどに問題が発生し、故障の原因になるからです。 2)内装設備のプロを活用して資産価値を把握せよ
内装や設備・厨房は、プロの工事業者に見てもらうのが一番いいでしょう。素人が見たくらいではその資産価値がわからないからです。もし出店したい物件が見つかったらプロに見てもらうことをお勧めします。(動かなくなった機械や使えない機械、店舗の匂いなど内装譲渡金を払ってからでは手遅れになるからです)
3 )リース物件に気をつけろ
物件によっては内装や設備、厨房など、リースを利用する人もいることから、必ずリース契約を行なっているものがないかを確認することが必要です。もし内装譲渡契約を締結してお店がオープンした後に、リース契約をした厨房機器であることが分かった場合、そのリース会社がリース契約している設備や機器を持ち帰るというケースがあります(リースはあくまでリース会社の資産であるからです)。この場合、せっかく内装譲渡金を払ったのに、その機器や設備を持って行かれた場合、お店を経営できなくなるので要注意です。不動産契約や内装譲渡契約を行なうのであれば、もしものことを考えて、弁護士やコンサルタントを使って、契約書にリースでの問題があった場合についての条項を入れることが不可欠です。
4 )内装譲渡を行なう時に、譲り受ける内装や設備、厨房のリストを前オーナーから提出してもらい、引き渡しの際にリストを確認し、さらに、資産譲渡を契約の際に実行してもらう必要があります。
そうしないと、資産を決算の際に計上できないことになり、経費の節減にならないばかりか、何かの問題が起こったときに前オーナーとのいざこざなどが発生する場合があるからです。
次回は競合店調査を実施し、敵を知りどのようなお店を作ったらいいかを検討!です。
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