物件取得金額が安くて、家賃も安い、開店資金を抑えたい方にお勧めの二等立地
一等立地と二等立地の違いは、一等立地は通行量が多く、一見客が多い立地を指しますが、一見客もとりやすく、リピーターも獲得しやすい立地をいます。これに対して二等立地とは、わざわざそのお店にお客様が来るという立地であるため、固定客を一生懸命作り、なおかつ、他店との差別化を明確に打ち出す必要がある立地と言えます。
1. 二等立地のメリットとデメリット
● メリット
イ)一等立地と比較して、物件が探しやすい。従って、様々な物件を見て良い物件を吟味することが必要です。
ロ)一等立地と比較して、物件取得にかかる費用(保証金、礼金、仲介手数料)や家賃、共益費が安いため、売上の目標額も低く設定できる。
ハ)物件取得費が安いということは、店舗を開店するにあたっての低投資コストで出店が実現できることから、投資コストが少ない方にお勧めです。
二)一等立地と比較すると、少し通行量は少ないが、大通りに面していて視認性もある物件もあります。
● デメリット
イ)お客様にわざわざ来ていただく立地であるため、お店の売り物がはっきりとしていることと、競合店との差別化を明確にすることが必要です。例えば、このお店に来ないと食べられないメニューがある。従業員が面白くて楽しい、と言った工夫がかなり必要です。
ロ)しっかりと立地を分析しないと失敗する可能性が非常に高くなります。
ハ)サイン看板が目立つようにすることと、ライティングを重視。例えば、大通りから見てもわかるということがポイントです。
2. 物件の見方
●前回述べた駅前立地と同じです。
●脇道に入る物件であれば、大通りに自店の看板が出せる場所を確認したり、袖看板を大きく作ることが大切です。店頭の上につける看板よりも、大通りから見て見える看板でなければ集客は難しいので、物件を決める前に、不動産会社及び家主としっかりと話し合いを行なうことが大切です。
●お店を開店するポイントとしては、販売促進を充実させることが不可欠です。一等立地では、販促をさほどしなくてもお客様に対する認知度は高くなりますが、二等立地は販促が命となります。手配りでチラシをまいたり、周辺企業へ営業にいったりと、常に販促を行ないお客様を呼び込む必要があります。
●物件選びの場合は、様々な物件を見て物件取得費と家賃や共益費を比較して、 家賃交渉を行なう必要があります。一等立地と違い、物件取得費や家賃を下げてくれる家主もいますから頑張って交渉すべきでしょう。
●駅からは遠くても、学校の通学路に位置していて学生の通行量がある二等立地もあるので、視野を広げて探しましょう。
●二等立地には相乗効果を狙った出店方法があります。例えば、流行っている美容院、スーパーなどが隣接してるか、近くにあれば集客が期待できます。流行っているこれらのお店は人を呼び込むコア施設と言ってもいいでしょう。流行っている他業種のお店がその地域にお客様を呼び込んでくれるため、当然自店の認知度もあがり、なおかつ、その他業種のお店にも自店のお客様が行っていただけるようにな るというケースがあります。これを相乗効果といい、人が集まることでその地域が活性化され、二等立地でありながら一等立地になれる要素を秘めているのです。
●二等立地で探してほしいポイントは、住宅地から駅までの通学路、通勤路に面している一階路面店物件、公団や市営住宅、マンモスマンションなどの大型住宅地の物件(ただし、公団や市営の場合、住宅の逐年数や住んでいる人の層を調べておくことが大切です)です。調べ方は公団の場合は公団事務所、市営であれば役所などに問合せをします。マンモスマンションは、その施設に入り古さを確認するとか、マンションの入口近くで出入りする人を観察することです。また、新聞の分譲マンションや分譲地などの広告(新聞折り込み、電車の中吊り、自宅のポスト)をしっかりとチェックし、それらの物件の場所を視察して、その周辺の物件を探すと良いでしょう。特に新築物件の広告には完成予定や販売戸数、販売価格が明確に記載されています。そのマンションの完成時期が分かれば、早めに物件を押さえることができます。販売戸数や間取りがわかれば、ファミリー層が多いか、新婚さんが多いかがわかりますし、なおかつ、販売戸数× 1 戸当りの入居者数を想定し、マーケットを算定できます。販売価格は、多くのチラシを見ることで、相場より高いか低いかがわかり、高ければ所得が高い人が住む可能性が高く、低ければ若い夫婦か、所得が少ない人が住むのかが判断できますから、お店のメニュー価格や業態を決める要素となります。付け足しとして、販売しているモデルルーム(特に週末)に出かけ、モデルルームに駐車している車の車種やスタイル(ワゴン、セダンなど)でも、客層を判断できます。
|