学生のライフスタイルを知ることが成功の鍵!スクール立地はここを見よ。
大学、専門学校、予備校、高校、中学など、学校の種類によって業態が決まる。それが「スクール立地」です。大学や専門学校が近くにある場合は、宴会やパーティーの機能を持った低価格居酒屋やカップル向けのダイニングバーがお勧め。当然、ランチも営業する事を考えるべきです。予備校、高校はファーストフードや弁当、デリ、定食屋などの低価格&昼食業態がお勧め、中学校の場合はファーストフード業態が良いと思います。
1. スクール立地のメリットとデメリット
● メリット
イ)毎年多くの学生が入学、卒業を繰り返すため、ある程度有名校であれば学生人口が減少することはありません。
ロ)ターゲットをしっかりと決めて業態を開発すれば、集客は見込めます。
ハ)大学が近くにある場合は、宴会やパーティーが頻繁に獲得できます。大学のサークルやクラブは、新人歓迎コンパ、五月祭、学祭、大会打ち上げ、忘年会、新年会、追い出しコンパなど最低でも 8 回は行なうので、宴会やパーティーが獲得できます。
ニ)オフィス立地とは異なり、居酒屋などの飲み屋業態については、夕方の早くから来店してくれるため客席の開店が良くなります。
ホ)学生アルバイトを募集することが容易にできます。従って、店頭に求人募集の紙を掲示するだけで募集費がかかりません。(ただし、学生が働きたいと思うようなお店でないと無理)
ト)予備校をターゲットにした場合、食事業態であればデメリットである夏休みの長期的な休みや試験時期の来店頻度が減少することは少ないでしょう。
●デメリット
イ)話題性を常に作り出して、飽きさせない工夫が必要です。
ロ)学生はそれぞれお小遣いやバイト代、仕送りなどで生計を立てている人がターゲットとなるため、あまり高額な業態は難しいでしょう。
ハ)夏休み、冬休み、春休みなど長期の休みや試験期間があるため、この期間の売上が激減することがあります。
二) 20 歳未満の学生がターゲットである場合は、食事や喫茶中心の店舗であれば良いが、飲酒が絡む業態は困難です。
2. 物件の見方
●建物については、前回述べた駅前立地と同じです。
●店舗物件が、必ず、通学路に面していることが条件です。また、店頭は入りやすく、業態もわかりやすい表記にし、さらに、メニュー価格がわかることが安心感を生み出しますから、視覚的な看板が学生を引きつけるポイントとなります。
●どのような学校かを調べることが大切です。男子校、女子校、共学なのかを知ることでマーケットにあった業態を選定します。また、大学の場合は、学部や学年を調べること。例えば、3、4年生が中心であれば、大学の在籍数が多くても学校に来る比率が低いため、集客力はあまり期待できません。しかし、先ほども述べた通り、クラブやサークルを会員制で囲い込んだ場合は売上獲得がしやすくなります。
●学生在籍数とその推移を把握する
役所の統計資料で学校ごとの在籍数や在籍数の推移がデータ化している場合があるので、調べてみてください。もしない場合は直接各学校へ問い合わせると良いでしょう。在籍数が年々減少している学校は、少子化が進むことも考え、統合や移転などの問題が発生する場合がありますから注意しましょう。逆に新しく学校が開校したり、移転してくるケースもありますから、確認しておきましょう。
●地域の教育委員会を訪ねて、将来的に学校が統合や移転がないかといった情報を収集しましょう。
●業態が決定したら、競合店調査は絶対に行ないましょう。敵を知ることは絶対にプラスになります。競合店調査は、学生を多く集客している繁盛店のメニュー、価格帯、サ−ビス、宴会コースを調べ、なぜ入っているのかを分析します。逆に入っていないお店はどこが問題で入っていないのかを繁盛店と閑散店で比較してみましょう。
次回は二等立地です。乞うご期待。 |